【初心者必見】「固着したボルトの外し方」第1回バイクのエンジンを分解する10の心得

バイクのエンジンを分解する10の心得 XLR250baja
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こんにちは、fukumomo3_Photo(@fukumomo3_HP)です。

このブログでは、MD17Eを分解しながら固着したボルトの外し方を紹介しています。

数年前からXLR250BAJAに乗っています。最近エンジンの分解整備にチャレンジしたいと感じていますが、エンジンを一度も分解したことはありません。そのような私にもエンジンを分解は可能でしょうか?

以上のような初心者でもエンジン分解は可能か?といったお悩みに、実際にボルトなどが固着したMD17Eエンジンを分解した私がお答えします。

初心者でもバイクのエンジンを分解することはできるのか?

 結論を先に書かせていただくと初心者でもエンジンを分解することはできますと断言します。

理由は、私が初心者であり初心者の私でもXLR250BAJAのMD17EとFTRのMD17Eエンジンを2機分解して組み直しセルとキック兼用のエンジンを組み立てたてられたからです。

例えばあなたが2つのエンジンを持っていたとします。片方はギアが壊れ片方はピストンに穴が開いています。この2つのエンジンを直すには分解して組み直すだけです。しかしそのエンジンを眺めているだけでは何もおこりませんし、共に壊れたままですよね?そうです、できるかできないかは「できるかできないか」といったことを考えるのをやめて、ただ分解するだけなのです。

したがって初心者でもエンジンの分解は、やればできるのです。

しかしながらこのブログはMD17Eエンジンの細かい分解の説明をしていないことを先にお伝えしておかなければなりません。なぜならば、分解の説明図ではなく初心者の方々に元初心者の私からバイクのエンジンを分解するときに心がけると失敗が減るだろうな?といった心得を紹介しているからです。したがってエンジン分解に慣れた方や専門家が読むと退屈かもしれないことをお伝えして先に進ませていただきます。

第1回:固着したボルトの外し方

エンジンを解体するのは簡単です。理由は、解体するだけを考えれば簡単だからです。例えば家を解体するとします。解体するだけならば不燃物・畳・可燃物・産業廃棄物などに分けて大型機械を入れて壊せばいいだけです。しかしその家を解体したのちどこか違う場所に建て直すとします。壊せませんよね?したがってエンジンを解体するだけなら簡単ですが、組み直すことを考えながら分解して部品を整理整頓することが大切なのです。

エンジンを元どおりに組み直せるよう分解するには、様々な道具と知識と心得が必要となります。これから紹介する道具と知識と心得は必要最小限ですがエンジンを初めて分解する方々の参考になれば幸いです。

1.エンジンを固定する台を作りましょう

エンジンを分解する前にエンジンを固定する台を製作します。理由は、エンジンを固定していないとエンジンのボルト類を緩めるとき力が均一に伝わりません。その結果ボルトの頭を舐めてしまったり最悪はボルトを切ってしまったりすることがあるからです。したがってエンジンがレンチなどでボルトを回すとき動かないように固定する台を作るのです。

今回製作したのは、エンジンマウントの穴2つを固定するといったものです。廃材を使用して製作しました。しかしながら廃材を加工して製作するには溶接機などの道具が必要となります。

したがって、モーターサイクル エンジンスタンドを購入して使用する方が結果として早いです。理由は、写真を見れば一目瞭然なのですが、この自作のエンジンスタンドはMD17E専用だからです。例えばあなたがMD17Eだけを分解するのならば適当に自作したエンジンスタンドで事足りると思います。しかし1度エンジンをばらし組み立てるともう1台2台と組み立てたくなるものですよね?私はなりました。したがって自作するより高さ調整・ネジの調整・幅の調整などができるモーターサイクル エンジンスタンドをおすすめします。

アストロプロダクツ モーターサイクル エンジンスタンド

■商品説明:
エンジンを固定し、安定した作業を行うためのスタンドです。
本体の長さ、ステーの高さや幅を無段階で調節できるので、様々なエンジンに対応します。
エンジン固定用のボルトが2サイズ付属しています。
ステーの位置によって、エンジンの搭載角度を調節できます。
倒した状態でも、4点で接地するので、クラッチなどの組み込み作業に重宝します。

Photoさん欲しかったけど買えなかったもんね・・・

2.サービスマニュアルとパーツリストを入手しましょう

エンジンを分解・組み立てするときに必要となる説明書がサービスマニュアルとなり、部品などが細かく図解で記載されているものがパーツリストとなります。

この2点が無くても分解は可能ですが困難を極めます。理由はエンジンの中身が見えないからです。例えばあなたが1本のネジを壁から抜きたいとドライバーで回しました。しかし空回りして抜けてきません。しかたがないのであなたは強引にペンチでネジを掴み引き抜きました。するとネジの反対側には大きなストッパーが固定されいたため、壁に大きな穴が開いてしまいました。しかしよく見ると横に「隠し窓」があり、それを外すとストッパーが外せる仕組みでした。したがって「隠し窓」が図解でわかるパーツリストと「隠し窓」の外し方が記載されているサービスマニュアルがないと困難を極めるのです。

このことから事前に分解するエンジンのパーツリストとサービスマニュアルは必需となります。

ヤフオクなどで「XLR250BAJA パーツリスト」「XLR250BAJA サービスマニュアル」などと検索すると二冊で1万円を切るぐらいで販売されています。これを「ケチる」と最終的に多額な金額が部品代にかかる可能性があります。さらには組み立てられなくなる可能性もあるので購入を強くおすすめします。

説明書の無いプラモデルを組み立てる感じになっちゃうんですね!

3.古いエンジンを分解するための事前準備をしましょう

MD17Eのセル付きエンジンをヤフオクでみつけ落札したとします。しかしエンジンのボルトは全て固着していると考えていた方が良いです。

古いエンジンや機械を分解する前日に必ずやることがあります。ワコーズ RP-L ラスぺネ 無臭性浸透潤滑剤 を全てのボルトに浸透させておくのです。理由はラスペネを使ってからボルトが切れたり折れたりしたことが無いからです。ラスペネを知らなかった時の私はラスペネ以外のお値打ちな浸透潤滑剤を使っていました。しかし前日から浸透させているにもかかわらず折れたり切れたりすることがあったからです。ラスペネに変えてからは今のところ切れたり折れたりしたことはありません。したがって古いエンジンや機械を分解する前日には必ずワコーズ RP-L ラスぺネ 無臭性浸透潤滑剤を吹き付けておくのです。

ワコーズ RP-L ラスぺネ 無臭性浸透潤滑剤 A120 420ml A120 [HTRC3]

強力な浸透力を有する浸透防錆潤滑剤です。無臭性のため室内での作業や日用品への使用に適しています。噴射剤にLPGを使用した広い面にも塗布しやすい霧状タイプです。

Photoさんラスペネ知ってから、なんにでも吹き付けるよね・・・

4.固着してなくてもショックドライバーを使いましょう

ショックドライバーとは、ドライバーの持ち手の後ろを叩くことにより軸を回転させて固着したボルトなどを外しやすくする道具です。

シリンダーブロッグのボルトなどは比較的固着していないことがあります。しかしシリンダーヘッド周辺のボルトは危険です。理由は熱が入ることによりかなりの割合で固着するのです。とくに古いエンジンなど製造されてから一度もシリンダー周辺を分解されていないものもあるからです。たとえばショックドライバーを持っていなくヘキサゴンレンチで固着したヘキサゴンボルトを外しました。しかし最後の一本が外れません。強引にヘキサゴンレンチにパイプを差し込んで回しました。緩んだと感じた瞬間「スコン」とヘキサゴンレンチが地面に落ちます。形状がヘキサゴンから円に変わった瞬間です。したがって叩くことによりボルトに衝撃を与えながら回転させるショックドライバーが必要となるのです。

私がいつも使っているショックドライバーは デイトナ(Daytona) バイク用 小型 軽量 ショックドライバー です。使っている理由は、小さい・壊れない・デイトナ製だからです。たとえば手の入りにくい細い場所に外れないボルトがあったとします。そのようなときこの細くて小さいショックドライバーが役に立つのです。このことにより私はバイクを分解する時は、小さくて壊れないデイトナ製の デイトナ(Daytona) バイク用 小型 軽量 ショックドライバー を愛用するのです。

デイトナ(Daytona) バイク用 小型 軽量 ショックドライバー 94639

【用途】固着したボルトを緩める際に使用。本体重量約230gの軽量モデル。
【構成内容】ドライバー、プラスビット:PH1/PH2、マイナスビット(5mm)、ヘックスビット(6mm)
【仕様1】ドライバー本体全長140mm(グリップ長110mm)
【仕様2】ビットホルダー差込口6.3mm
【注意】取り外したボルトは再利用できなくなる恐れがございます

ちなみに、車などの大きなトルクで締め付けられたボルトを回すときは デイトナ(Daytona) バイク用 ショックドライバーセット こちらのスタンダードのタイプを思いっきり叩いて使っています。2つ持つ理由は先にも書きましたが、狭い場所は小型のデイトナを高トルクのものはスタンダードのデイトナを使うからです。かれこれ5年以上使っていますが回転が悪くなるなどの不具合は発生しておりませんのでお勧めのショックドライバーです。

デイトナ(Daytona) バイク用 ショックドライバーセット 95392

【用途】固着したボルトを緩める際に使用する特殊工具
【構成内容】ドライバー、プラスビット:#1/#2/#3、ロングプラスビット:#2/#3、マイナスビット:8mm、ヘックスローブビット:T40/T45、ヘックスビット:4㎜/5㎜/6㎜/8㎜、ビットソケット:3/8インチ(9.5㎜)、メタルケース
【仕様1】ドライバーグリップ部はクロームメッキ仕様
【仕様2】ビットホルダーは3/8インチ差込角だから、お手持ちのソケットをご使用いただくことも可能です
【注意】取り外したボルトは再利用できなくなる恐れがございます

たまに手叩いてショック〜って叫んでるね!

5.ラスペネ・ショックドライバーがダメならこれを使いましょう

ラスペネとショックドライバーを使っても回らないボルトがまれにあります。そのようなときはバーナーでボルトの頭を炙ります。

ラスペネに一晩漬け込んでもショックドライバーで叩いても回らないネジは実際あります。そのようなときガスバーナーでボルトを炙りましょう。理由は熱膨張を利用するのです。静かな場所で回らないボルトをしばらく炙っていると「パキッ」っと小さな音がします。この音が聞こえたらラッキーだと思ってください99%回ります。しかし大きなバーナーで炙ると余分なところまで熱くなってしまい思わぬトラブルが発生することもあります。そのようなとき Prince(プリンス) プリンス ガストーチ 炎温度約1300℃ を使います。このバーナーは電子機器をいじる時のために購入したのですがカロリーが思いの外高くエンジンの狭い場所にも使えました。キャンプなどで使うライターのように見えますがそれの数倍のカロリーで炙れます。なによりも見た目がカッコ良いのでおすすめします。

Prince(プリンス) プリンス ガストーチ 炎温度約1300℃ GB-2001

細口タイプ。
細かい調整ができる本格派。
ガス調節が簡単で、微調節もできる二重調節機構付き。
ロウ付・ハンダ付・宝石・貴金属・模型の細工加工・光学メガネフレーム・義歯ワックスの軟化矯正加工。
ガス調節が簡単で、微調節もできる二重調節機構付き。
グリップ部分は手がすべらずフィット。

注意事項
高圧の可燃性液体が入っていますので直射日光や40度以上の場所に放置しないでください。

かわいいとかっこいいは正義っておもってますもんね・・・

まとめ

固着したボルトを外す心得は、以下の4つです。

【固着したボルトを外す4つの心得】
  1. 事前準備をしましょう
  2. 固定する台を作りましょう
  3. ショックドライバーを使いましょう
  4. サービスマニュアルとパーツリストを入手しましょう

古いエンジンの分解は固着との戦いです。理由は、固着していなければサービスマニュアルとパーツリストさえあれば簡単だからです。説明書に書いてあるとおりに分解して説明書どおりのトルクで締め付け説明書通りに動かせば機械は動いてくれるからです。したがって分解するときにサービスマニュアルと違った手順で分解しようとしているから難しくなるのです。たとえば一本の隠れたネジの存在がパーツリストに書いてあるのにかかわらず。読み飛ばして見えるボルトだけを外すことです。当然隠れたボルトを外していないので外れません。しかし人は思い込むとおかしなもので強引に外そうとするのです。外れない動かないと感じたらサービスマニュアルとパーツリストを読み直してください。きっとあなたの味方になってくれます。

これにて、第1回:「固着したボルトの外し方」はお開きとなります。

ありがとうございました。。◯

このブログが、あなたのガレージライフのお役に立てると幸いです。

最後まで読んで下さり心より感謝します。ありがとうございました。

おまけエッセイ 第一話【またせたねBAJACO】

 XLR250BAJAと初めて出会ったのは2013年の3月だった。私が名古屋の港に住んでいた時にさかのぼる。1週間ぶりに長距離の仕事から帰る。その子は私の駐車場にちょこんと可愛らしく待っていてくれた。「その子」といったが名前は「BAJACO」とネットで探してみたときから決めてある。鹿児島から陸送ではるばる名古屋の港まできてくれたのだから丁寧に挨拶しないといけない。BAJACOの体を隅々まで舐めるように観察する。ネットの画像で見た通り美しい体をしている。足下をよくみると鹿児島のバイク屋のステッカーが貼ってある。はがしてもよかったがきっとBAJACOは嫌がるだろうと判断したのでそのままである。純正オリジナルのキーが2本封筒に入っていた。前の旦那に可愛がられていたことを物語る品だ。少しだけ嫉妬が芽生える。しかしその感情はBAJACOにまたがった瞬間消えた。身長170センチの私がまたがって体重をかけるのだが足先がかろうじて地面をとらえる。大事にされていたキーをBAJACOに挿入しキーをひねる。バッテリーレスのXLR250BAJAなのでキーをひねってもなにも点灯しないし反応はない。チョークを引きキックペダルを横に開き左足を支点に右足で圧縮上死点を探す。少し重たくなるところが上死点である。しかしいまいち久しぶりなので適当なところから思いっきり右足を下ろす。なんと「ドドドド」一発始動である。アクセルを若干開け気味にしながらチョークをゆっくりとおろしBAJACOに挨拶をした。

 用意しておいたヘルメットを車から取り出し準備をする。準備をする間も「ドドドド」と小刻みに揺れながらアイドリングを刻んでいる。やはり私の「ビビビィ」は正しかったと改めて感じてニヤリと頬が上がった。ヘルメットを被りちょっと背の高いBAJACOにまたがる。クラッチを握りギアを1つ踏んで下げると「ゴン」と心地よいギアの噛む音が聞こえた。何度も何度もニュトラルから1速を繰り返し「ゴン」を楽しむ。私はこの音がたまらなく好きなのだ。散々楽しんだのでいよいよBAJACOと初めてのデートへ出かける。ちょっと短いクラッチレバーをゆっくりと放す。アクセルを絞るようにゆっくりと加速する。「なんだこの女じゃじゃ馬なないか!」この言葉が風にのり後方へ流される。ギアを上げる。心地よい加速感と背の高い彼女からみる港の景色がいつもと変わる。BAJACOのステップの上に立ち上がりBAJACOのサスペンションに体重を一気におろしぴょんぴょんと跳ねた。BAJACOも鹿児島からの長旅など気にもしていない様子だ。海が見える。港のコンテナ埠頭のコンテナをパイロンがわりにステップを踏みながらBAJACOの声を聞く。ちょっと派手にアクセルを開けてもお構いなしの様子でBAJACOはぐいぐいと私を乗せてコンテナの周りを走り抜けた。

 燃料を入れていなかったことを忘れいた。陸送で積んできたバイクに燃料が入っている訳がない。慌てて近所のガソリンスタンドへ向かう。燃料を満タンに入れてリザーブからONに戻し再びデート再開だ。港から国道へでて隣の島へ遊びにきた。子供の頃400メートルを競った道路だ。懐かしいのでスタート地点から時計をにらみながら全開で加速する。ゴール。時計を見る。やはり早いと思っていたが250ccだ。タイムは伏せておくことにする。しかしBAJACOの加速感は時計では表せない速さがあるのだ。これは乗った人にしかわからない感動だ。BAJACOの顔であるヘッドライトを点灯する。BAJACOからおりてヘッドライトを確認しながらBAJACOの顔をゆっくりと眺めた。ぽつりと言葉がこぼれ落ちる「かわいい」と。私のなかで「かわいい」と「かっこいいい」は正義なのでこのBAJACOは正真正銘、私の正義なのだと感じた。その日、まだまだ帰りたくない二人は港の同じコンテナの周りをぐるぐると何周も回りながら会話を楽しんだ。

文章力をつける目的で私の車やバイクとの付き合い方を小説風に書いています。読みにくい文章に耐え最後まで読んでくださり心より感謝いたします。

今後書き続ける決意を込めて掲載しました。

fukumomo3_Photoより

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