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こんにちは、fukumomo3_Photo(@fukumomo6_com)です。
妻がインスタグラムのダイレクトメールで一枚の画像を送ってきた。
「バイクの話題?」と思いながら開くと、そこに写っていたのは緑色の自転車。
いや、よく見るとエンジンがついている。
ヘッドライトもウインカーも装備され、自転車ともバイクとも言えない謎の乗り物。
思わずつぶやいた。
「なんじゃこりゃ」
「イタリア野郎の再生|イタルジェット・クラスと私の挑戦」

第一話:”なんじゃこりゃ”との出会いと新たな挑戦
妻が一枚の画像をインスタグラムのダイレクトメールに添付してきた。確認すると緑色の自転車の画像だった。しかし、よくみてみるとエンジンがついている。「なんじゃこりゃ」である。緑色の車体に、小さなヘッドライトが付いていて、よくみてみるとウインカーまでついている。画像を拡大してフレームに書かれたロゴを読み取ると「イタルジェット・クラス」と読めた。
最近、私のバイクに興味を持ってくれているのはわかるし、きっと一緒にバイクに乗りたいのであろう。しかしながら、妻は普通自動車の免許だけなので、のることのできるバイクは原付かミニカーとなる。そこで、この「なんじゃこりゃ」の自転車なのかバイクなのか、よくわからない乗り物を添付してきたことが推測できた。送られてきたオークションの説明をよむと、価格も手頃で不動と記載してあったが、直ると判断したので、現車確認したいとメールを送る。メールはすぐに届き「いつでも大丈夫です。」とのことだったので、「週末の午前中に伺います」とメールを返した。直感の第一システムが作動したわけでもなく「ビビビッ」っときたわけでもないのだが、妻がバイクに乗りたいという気持ちが嬉しかったのだろう。
購入する気満々で、ネット検索してみる。しかし、上がってくるのは、新型のイタルジェットというイタリアのメーカーのスクーターだ。しばらく、この「かっこいいスクーター」に興味が湧き「なんじゃこりゃ」のことが頭から抜けた。スクーターなのだがダイヤモンドフレームっぽい作りで、しかも、エンジンの排気量は125ccで、なかなか良いのである。カタログでは、皮つなぎを着た「イタリア野郎」が「かっこいいスクーター」を紹介していた。この「かっこいいスクーター」が、もし2ストだったら本気で購入を検討していたところだ。
しばらく「かっこいいスクーター」に目を奪われていたが、エンジンが4ストだったので「なんじゃこりゃ」に戻る。しかし、検索しても、数件のブログや詐欺オークションなどの画像しか上がってこなかった。しかし、海外のサイトには、少しだけ詳しく紹介してあった。イタルジェット・クラスには、クラスの他に、女性用イタルジェット・ティファニーがあり1980年頃から1983年、日本に輸入されたらしい。ヨーロッパのモペットブームにのっかり儲けようとしたのだろうが、約30万円と価格設定が高かったことや、日本には1977年にヤマハ・パッソルなどの「女性が両足をそろえて簡単に乗れるスクーター」が約7万円販売されていたことで、ペダルを漕ぐエンジン付きの「なんじゃこりゃ」が、この時代の日本には受け入れられなかったようだ。
検索すること数日、これといった「なんじゃこりゃ」に関する新しい情報もないまま出品者が指定した静岡まで軽トラを走らせる。妻が横で、「イタルジェット・クラス」「イタルジェット・ティファニー」と検索して情報が見つかると、嬉しそうに説明してくれるが、私が散々検索した情報なので、右から左に受け流しながら走る。しかし、妻が嬉しそうにバイクの話をしてくれていることが、嬉しかったので相槌は、「へ〜!そーなんだー!」である。イタルジェット・クラスの話題で盛り上がること数時間で静岡の目的地に到着した。出品者と軽く挨拶をしたのち、いよいよ「なんじゃこりゃ」とご対面だ。出品者が家の裏から奇妙な音とともに引きずってきたのは、みるからに汚らしく古めかしい自転車だった。お世辞にも「イタリア野郎」というには程遠い、どちらかと言えば「サドルの盗まれた放置自転車」の一群の中にいてもおかしくはない見た目だった。
しかし、妻が「なんじゃこりゃ」をみたときの第一声は「かわいいね」だった。一瞬「え?」っと思ったが、ここで私の「かわいい」に火がついた。これは、どこからみても「かわいくない」のに妻は「かわいいね」と言ったのだ。これは、私にこの「なんじゃこりゃ」をかわいくカスタマイズしろといった任務なのだ。そして、イタリア生まれというだけで、どこからみても放置自転車の一台にしか見えない「なんじゃこりゃ」を、どのように「かわいい」モペットにすることができるかといった私への挑戦状だと受け取った。挑戦を受け取ったので、その場で購入ボタンをタップして出品者に手伝ってもらい軽トラに「なんじゃこりゃ」をのせた。
帰り道、私の頭の中は、どのようにこの「サドルの盗まれた放置自転車」を「かわいい」モペットにカスタマイズしようかと頭がいっぱいだった。その横で、妻はニコニコしながら「かわいいね」と連呼する。少し不安になり赤色のペンを指差し「これ何色に見える?そして何に見える?」と質問したが、帰ってきた言葉は、「赤色のボールペン」だった。このことで、私と見えているものは同じだと判断できた。
途中、南牧村に立ち寄り犬と妻のトイレ休憩をとり、軽トラの後ろに乗った「サドルの盗まれた放置自転車」を眺める。すると、南牧村の景色が緑色のフレームに書かれた「レオポルド・タルタリーニ」の文字を浮かび上がらせた。検索するとイタルジェットの創設者の名前だと知り、そして、創設者の願いや、イタルジェットの考え方を学んだ。物語を知ると「なんじゃこりゃ」が不思議なことに「イタリア野郎」に見えてくる。この物語の主人公の「レオポルド・タルタリーニ」のロゴを見つめながら「レオポルド!私が、こいつをかわいくしてやるから心配するな」と南牧村の広大な景色と「レオポルド・タルタリーニ」の血が受け継がれた「イタリア野郎」に「なんじゃこりゃ」や「サドルの盗まれた放置自転車」と呼んでいたことを謝罪した。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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