「蘇るミニトレ|GT50と私のレストア物語」第一話:記憶タンスの奥に眠っていたバイク

「蘇るミニトレ|GT50と私のレストア物語」第一話:記憶タンスの奥に眠っていたバイク GT50
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こんにちは、fukumomo3_Photo(@fukumomo6_com)です。

ガレージでバイアルスを眺めていた時、ふと「一番最初に乗ったバイクって何だったろう?」と考えた。

頭に浮かんだのはヤマハのパッソル。

だが、違和感があった。

記憶を掘り返すうちに、解体屋で見つけたスクラップ寸前のミニトレが蘇る。

「ああ、あれが最初だった!」

記憶のタンスの裏で長年眠っていたミニトレが、亀のミイラとともに目を覚ましたのだ。

「蘇るミニトレ|GT50と私のレストア物語」

YAMAHA-GT50-ミニトレ

第一話:記憶タンスの奥に眠っていたバイク

 バイアルスを眺めながら「一番最初に乗ったバイクってなんだったろう?」と自問自答した。ちなみにバイアルスは、五代目の相棒だ。そこでまず最初に記憶タンスをちらかしながら見つけたのがヤマハのパッソルだった。しかし疑問を感じ再び中身を整理する。するとタンスをずらした裏側に亀のミイラと共に、解体屋で見つけたスクラップ寸前のミニトレの記憶が鮮明に浮かぶ、「あ〜あ〜あの解体屋のミニトレが最初だ!」記憶が戻ると今まで記憶タンスの裏で亀のミイラと眠っていたミニトレが頭の中で走りだした。

 43年前、解体屋のゴミの山でミニトレに出会った。当時の解体屋といえば車やバイクがぐちゃぐちゃに高積みされ、欲しい部品などは解体屋のおやじに「いくらですか?」と聞けば値段を適当に決めてくれるか、おやじが忙しければ「もってけ」と返事が返ってくるぐらい楽しい場所だったと記憶している。しかしながらミニトレをいくらでどのような交渉で買ったか、もらったかの記憶がタンスの中のメモ帳に記載されていない、もしかしたら裏メモ帳に書いたかもしれないが、読むのが怖いのでしまっておくこととする。

 タンスの裏から亀のミイラを乗せて走り出したミニトレを探す。ヤフオクには亀のミイラを乗せたミニトレはいなかった。ネット検索するが亀のミイラを乗せているようなミニトレはいない。しかしメルカリを検索すると亀のミイラは乗せていなかったが、当時のミニトレと同じ色で完全オリジナルの子を発見して「ビビビィ」っときた。気になったので住所をみてみると隣町である。そのことがわかった瞬間「現車確認したいのですが、都合の良い日時を教えてください」とメールを送る。すると数時間後「週末の午前中ならいつでも大丈夫です」との返信が届いた。

 メールを送ったのは金曜だったので、週末は待つことなくきた。早速連絡を取り合い隣町の待ち合わせ場所に軽バンを走らせる。亀のミイラは乗っていないけど当時と同じ色で完全オリジナルのミニトレさんに会えるとなるとドキドキとワクワクが止まらない。数分で待ち合わせ場所に到着すると、広い駐車場の真ん中に小さなバイクが見えた。そこには少しあせていたが当時と同じ色でオリジナルの原型を保ったままのミニトレさんが待っていた。出品者との挨拶も早々に、ミニトレの状態を見る。記憶のタンスの裏側に亀のミイラと43年間眠っていたので状態が良いはずはないが、みたところ欠品もなさそうなので値切ることなく購入をタップした。

 ガレージに到着してミニトレの細かい部分を観察する。すると全ての可動部分が硬い。43年間タンスの裏側に亀のミイラと一緒に眠っていたのだから当然といえば当然だ。この時私の中で今まで経験していなかったが、やってみたかったことの一つ「バイクのフルレストア」が頭に浮かぶ。すると完成された「かっこよくて、かわいい」ミニトレさんが脳内にイメージされたのだ。イメージが浮かべば行動は早い、ヤフオクやアマゾンなどでサービスマニュアルとパーツリストを探す。アマゾンで復刻版のサービスマニュアルが見つかり、パーツリストはヤフオクで落札した。バイクのフルレストアをするとなると場所が必要となる。そこで思い切ってガレージハウスの模様替えから始めた。いらないものを捨て、いるものは棚を作り整理整頓する。そしてガレージハウスで長年まっているXLR250BAJAに「ごめん」とひとこと目を合わせないで伝えバイク小屋へ移動してもらった。

 少しだけ広くなったガレージハウスのハウス部分の真ん中に亀のミイラを乗せたミニトレを立たせたが、いつまでも亀のミイラを乗せたままではよろしくないので、亀のミイラは再びタンスの裏に眠ってもらい、お迎えしたミニトレさんをじっと眺める。ガレージハウスは広さ六畳、高さは私の頭がぶつかるぎりぎりの178センチなのだが、それでもミニトレさんは小さく見えた。心配だった燃料タンクの中を見るとおもったよりキレイでガレージに長期保存されていた子なのだと「ニヤリ」とする。続いてシリンダーヘッドを外しカーボンの具合を見る。するとピストンもキレイで再び「ニヤリ」とした。このとき出品者の「レストアしたくて買ったんですけど時間がなくてね」の言葉が思い出される。きっと燃料タンクはもっと錆びていただろうに出品者がキレイにしたのだろうと想像できた。その瞬間、私の中のレストアの火種が記憶タンスの裏に眠っていた亀のミイラと解体屋で見つけたミニトレに火をつけ激しく燃え出した。過去のミニトレが今のミニトレさんに乗り移った瞬間である。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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